「東芝に105億円賠償を」 個人株主が監査法人提訴
東芝の会計不祥事を巡り、個人株主が20日、会計監査を担当した新日本監査法人に対し、約105億円を東芝に賠償するよう求める株主代表訴訟の訴状を東京地裁に送った。代理人を務める「株主の権利弁護団」(大阪)によると、監査法人への株主代表訴訟は異例という。
同弁護団によると、株主は大阪府内の40代男性。東芝に7月、新日本に対する損害賠償訴訟を起こすよう求める書面を送付したが、東芝が提訴を見送ったことを受けて株主代表訴訟の手続きを取った。
男性は「新日本は東芝のパソコン事業の利益水増しを発見できたのに、日本公認会計士協会が定める指針に沿った対応をせず、会計不祥事を見逃した」と主張。東芝が納付した課徴金約73億円や不正発覚後の追加の監査報酬約30億円などを損害とした。
新日本は「訴状を確認していないため、コメントは差し控えたい」としている。