2019年2月23日(土)

医薬品の延長特許、「わずかな差異」なら侵害 知財高裁

2017/1/20 21:09
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特許の保護期間延長が認められた医薬品をめぐる訴訟で、知的財産高裁の大合議(裁判長・設楽隆一所長)は20日、「成分や分量、用法などにわずかな差異や形式的な差異しかない場合、実質的に同じ医薬品」と述べ、そうした医薬品の販売は延長された特許の侵害にあたるとする判断基準を初めて示した。

医薬品は製造販売の承認手続きに時間がかかるため、特許の保護期間の20年に加え、特許庁が認めれば最長5年間、特許を延長できる。

これまで延長特許が保護される範囲ははっきりせず、特許を持つ製薬会社と後発医薬品会社の訴訟が相次いだ。知財高裁が一定のルールを示したことで後発薬側の訴訟リスクを避けやすくなる。

訴えを起こしたのは、スイスの製薬会社デビオファーム社。提携先が日本で製造販売している抗がん剤「エルプラット」の点滴について、延長された期間中、東和薬品が発売した製品が特許を侵害していると主張した。

20日の判決は、特許侵害を認めなかった一審・東京地裁判決を支持し、デビオ社の控訴を棄却した。設楽裁判長は判決理由で「延長特許の効力はわずかな差異や形式的な差異の製品にも及ぶ」と指摘。その上で東和薬品の製品には添加物が含まれ、「実質的に同じ物ではない」として効力は及ばないと結論づけた。

特許侵害にあたるケースとして▽周知の技術で有効成分以外の成分を付加した▽用法や用量に意味のない程度の差異しかない――などを挙げた。

大合議は重要な論点を扱う場合に開かれ、裁判官5人で審理する。知財高裁が発足した2005年以来、今回で11件目。

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