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年金機構の宿舎7棟170戸、3年以上空き家 検査院調べ

日本年金機構が保有する職員宿舎のうち7棟が、入居者がいないまま3年以上放置されていることが20日、会計検査院の調べで分かった。7棟を含め、簿価15億円相当の事務所や宿舎が有効活用されていないことも判明した。

現状では機構が保有する不動産を国に返還させる法規定がなく、検査院は所管する厚生労働省に対し法整備を急ぐよう求めた。

機構は今年3月末現在、全国の年金事務所や職員宿舎など簿価約1034億円分の不動産を保有。もともとは国有財産だったが、2010年の機構発足時に旧社会保険庁の事業とともに不動産も引き継いだ。

検査院は今回、全国に207棟ある宿舎の利用状況を検査。14年度末時点で入居者ゼロの宿舎が13棟(計248戸)あり、うち東京や千葉、沖縄などにある7棟(計170戸)は少なくとも3年以上入居者がいなかった。

北海道小樽市の「桜宿舎」(9戸)には機構の発足当初から1人も住んでおらず、防犯のため入り口を木板で閉鎖していた。東京都東久留米市の「東久留米寮」(105戸)は11年1月以降、入居者がいなかった。

また、群馬や京都などの4府県では事務所の移転で使わなくなった建物を倉庫として使っており、ほぼ遊休状態になっていた。

07年に制定された日本年金機構法には、10年から独立行政法人に適用されている不要資産の国庫返納規定がなく、厚労省も法の不備を認識していなかった。

厚労省は「検査院の指摘を踏まえ、法改正を含めた対応を検討したい」としている。

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