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格安タクシー勝訴 大阪地裁、国の変更命令認めず

国が定めたタクシー運賃の幅より安い運賃で営業するワンコインドーム(大阪市西区)が、国に運賃変更命令などの行政処分を出さないよう求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であった。西田隆裕裁判長は「国の運賃幅は合理性を欠いており、違法」として同社の訴えを認めた。

同様の訴訟は大阪、福岡、青森の3地裁で計6件起こされており、判決は初めて。確定すれば、国はワンコインドームに値上げを求められなくなる。

判決などによると、国は昨年4月、改正タクシー事業適正化・活性化特別措置法に基づき公定幅運賃を導入。大阪では近畿運輸局が、中型車で初乗り660~680円の設定での営業を義務付けたが、同社はその前からの初乗り500円の運賃設定を変えないまま営業を続けた。

国は同社に是正勧告したうえで、運賃変更命令などの行政処分を検討。これに対し、同社は大阪地裁に提訴するとともに、行政処分の仮差し止めを求める申し立ても起こした。

仮差し止めについては今春、国が運賃幅を定めること自体は「合憲」と認定したものの、格安運賃での営業を一定期間認める決定が大阪高裁で確定。現在は初乗り510円で営業している。

この日の判決で、西田裁判長は、同運輸局が定めた運賃幅について「タクシー事業者の運賃や経営実態などを全く考慮せず指定したもので、合理性を欠く。裁量権の逸脱や乱用で違法」と結論づけた。

同社は訴訟で「公定幅運賃の制度そのものが営業の自由を制限しており、憲法に違反する」と主張していたが、西田裁判長は判断を示さなかった。

国土交通省によると、公定幅運賃の導入時点で、個人タクシーを除く全国181社が運賃幅に従わない初乗り運賃で営業していたが、現在は13社にとどまる。

ただ、公定幅運賃の導入後、複数のタクシー会社が正式裁判と並行して行政処分の仮差し止めを求め、大半が認められたため、これまでに国が運賃変更命令を出した例はない。

ワンコインドームの町野勝康社長らは判決後、記者会見し「国の運賃幅は利用者ではなく既存業者を守るためのもので、当然の判決だ」と強調。一方、国交省自動車局は「判決内容を詳細に検討し、適切に対応する」としている。

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