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唐の壺、実は日本製? 正倉院の宝物「銀壺」

奈良市の正倉院に伝わる宝物「銀壺(ぎんこ)」2点について、製作技法や表面の図像から日本製である可能性が高いと分かり、宮内庁正倉院事務所が20日発表した。これまでは唐で作られ、遣唐使らが日本にもたらしたと考えられていた。「正倉院紀要第39号」に掲載された。

銀壺は「甲」と「乙」があり、胴径が61~62センチと正倉院宝物の金属器では最大。シカやイノシシを追う騎馬人物像などが全面に線刻してある。底に天平神護3年(767年)の日付が刻まれ、時の称徳天皇が東大寺の大仏にささげたとされる。

奈良国立博物館の吉沢悟・列品室長が詳しく調べたところ、表面を覆う魚卵状の文様「魚々子(ななこ)」細工が唐の金銀器と違い稚拙だった。

図像は種類が乏しく転写を多用し、画題の整合性がとれていないことが判明。「原図一つひとつは中国で描かれたものだが、少数しか用意できず、転写や合成を重ね苦心して全体を埋めた」と推察し、日本製の可能性が高いと結論づけた。

銀壺を巡っては、唐に同じタイプの容器がないことから日本製説もあったが、人物像の服装などをもとに唐で製作されたとの見方が有力だった。

吉沢室長は「謀反を起こし討たれた当時の実力者、藤原仲麻呂(恵美押勝)が発行した銀の銭貨を回収して素材に転用したのでは」とみている。

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