強化ガラス食器で事故続発 3年で45件、突然粉々に
強化ガラス製の鍋ぶたや食器が突然、粉々に割れる事故の情報が2012年4月以降の約3年間に少なくとも45件寄せられていることが20日、消費者庁や製品評価技術基盤機構(NITE)への取材による集計で分かった。うち8件では割れた破片で指を切るなどのけがをしていた。
強化ガラスは表面に細かな傷があると、急な温度変化などで激しく砕け散る恐れがあるという。消費者庁は12年に注意喚起しているが、それ以降も同種の事故が後を絶たないため、再度注意を呼び掛ける方針だ。
事故があった製品の内訳は、鍋やフライパンのふたが多く28件。それ以外のグラス、ボウル、皿などの食器が計17件。
ふたは調理中に割れて飛び散るケースが目立つ。岩手県で13年11月、調理中に飛散し、そばにいた人がすり傷を負ったほか、大阪府でも12年12月、ガラス片が足に刺さる事故があった。
グラスは、食器洗い機から取り出した途端に飛散したり、洗った後に伏せた際に割れたりしたケースがあった。
消費者庁は対策として、傷やひびが入った製品は使わない、高温の状態で水に入れず十分に冷やしてから洗う、洗う際はガラスを傷つける金属製たわしを使わないことなどを呼び掛けている。
ほかに、テレビ台やドラム式洗濯乾燥機のドア部分、電子レンジの扉部分などの強化ガラスが割れる同種の事故も12年4月以降、少なくとも約60件起きている。
今年5月には、ダイニングテーブルのガラスが食事中に飛散し、その場にいた人が軽傷を負った。
強化ガラス製品の事故情報は09年11月以降の約1年半に約40件寄せられ、同庁が12年4月に注意喚起している。〔共同〕