2019年2月23日(土)

芥川賞の沼田氏「光栄」、直木賞の佐藤氏も喜び

2017/7/19 22:07
保存
共有
印刷
その他

第157回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は沼田真佑氏(38)の「影裏(えいり)」(「文学界」5月号)に、直木賞は佐藤正午氏(61)の「月の満ち欠け」(岩波書店)に決まった。8月下旬に都内で贈呈式が開かれ、受賞者に正賞の時計と副賞100万円が贈られる。

「影裏(えいり)」の芥川賞受賞が決まり、記者会見する沼田真佑氏(19日午後、東京都千代田区)

沼田氏は北海道小樽市生まれ。盛岡市在住。受賞作「影裏」で今年5月に文学界新人賞を受け、作家デビューした。

「影裏」は、首都圏から盛岡市に転勤してきた主人公の男性と、釣り仲間でもある同僚との交流を描く。同性愛や東日本大震災などのテーマを織り込みながら、人間が隠し持った複雑でとらえがたい内面に迫っている。

沼田氏は記者会見で「光栄です。1作しか書いていないのでがんばりたい」と笑顔を見せた。選考委員の高樹のぶ子氏は「3.11を踏まえて人間の内部の崩壊を描いた」と高く評価した。

佐藤氏は長崎県佐世保市生まれ。1983年デビュー。2015年に「鳩の撃退法」で山田風太郎賞。直木賞は初の候補での受賞となった。

「月の満ち欠け」は生まれ変わりを繰り返す女性と、彼女と関わる家族や恋人の人生模様を描く長編小説。ありえない話に説得力を持たせる巧みな語り口で、奇想天外な愛の物語を描きだした。

自宅のある佐世保市で電話取材に応じた佐藤氏は「作家の人生にはいろんなコースがある。直木賞にはこの年になってばったり出合った感じ」と喜びを語った。選考委員の北方謙三氏は「文章力が抜きんでていた」と評した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報