魚の口にすむ「ウオノエ」、深海の共通祖先が進化 400種生息
淡水や海水、汽水の様々な魚に寄生して生き、世界に約400種類いるとされる「ウオノエ」という生物が、深海に生息していた共通の祖先から進化した可能性が高いことが分かった。愛媛大や総合地球環境学研究所(京都市)などのチームが19日、明らかにした。
ウオノエは等脚類に属し、体長数センチ。幅広い生息域の魚に寄生し、血液や体液を吸って栄養を得る。寄生箇所はえらや口、腹、体表といろいろ。
約400種類の中にはシマアジノエやニザダイノギンカなどがあるが、これまで進化の道筋はほとんど解明されていない。愛媛大の畑啓生准教授は「進化の多様性を究明するヒントになる発見」と話している。
チームは、世界各地から集めたウオノエのDNAの系統を解析。深海に生息するウナギ目の魚類に寄生するウオノエのグループが最も初期に共通の祖先から分岐し、進化してきた可能性が高いことが判明。また、えらに寄生するグループが最も古く、水域では深海から浅海・淡水域へと進出したことも分かった。〔共同〕