2018年12月12日(水)

遺族年金 男女差は合憲 妻亡くした夫、逆転敗訴 大阪高裁

2015/6/20付
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地方公務員の配偶者が亡くなった場合、妻は年齢を問わず遺族補償年金を受け取れるのに、夫は55歳以上でないと受給できない地方公務員災害補償法(地公災法)の規定は、「法の下の平等」を定めた憲法に反するかどうかが争われた訴訟の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。志田博文裁判長は「不合理な差別とはいえない」として一審の違憲判決を取り消し、合憲と判断した。

原告側は判決を不服として上告する方針。

同様の男女差の規定は国家公務員災害補償法や民間対象の労働者災害補償保険法にもある。一審と二審の判決が正反対の結論となり、規定のあり方について改めて論議を呼びそうだ。

判決などによると、1998年に公立中学教諭の妻(当時51)を亡くした堺市の男性(68)は、地方公務員災害補償基金に遺族補償年金の支給を申請した。しかし、妻の死亡時点で男性が「51歳」だったため、受給要件の55歳に達していないとして同基金は不支給処分とした。

判決はまず、地公災法に基づく遺族補償年金について「公務員の死亡により、独力で生計を維持することが難しい遺族の生活の保護が目的」と位置づけた。

その上で、女性を取り巻く社会情勢について、非正規雇用の割合が男性の3倍近いことや、賃金額が男性の約6割以下と低いことなどを指摘。「妻を亡くした夫が独力で生計を維持できなくなる可能性は、夫を亡くした妻よりも著しく低い」とし、「現在の社会情勢でも、夫のみに年齢の受給要件を設けることは不合理な差別とは言えない」と結論づけた。

2013年の一審・大阪地裁判決は、「配偶者の性別で受給権の有無を分けるような差別的取り扱いは合理性がなく、違憲」として基金側の不支給決定を取り消し、基金側が控訴していた。

地方公務員災害補償基金の話 判決の内容を精査しておらず、具体的なコメントは差し控えたい。

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