ジカウイルス、大人のマウスの脳に感染
中南米を中心に感染が広がるジカ熱のウイルスが、成長したマウスの脳で学習や記憶に関わる領域にある細胞に感染したとする実験結果を、米研究チームが19日までに米科学誌に発表した。
人では妊婦がジカ熱にかかると小頭症の子どもが生まれる恐れがあるが、大人は発熱などの軽症で済むことが多い。チームは「ジカウイルスが人の認知機能に長期的に影響するかどうか調べる必要がある」としている。
チームは、実験のため遺伝子操作でウイルスに感染しやすくした生後5~6週の成長したマウスの目にジカウイルスを注射。6日後に脳を調べると、学習や記憶に関係する領域でウイルスが見つかった。神経細胞になる前の未成熟な細胞が感染し、細胞が死んだり増殖が減ったりしていた。
ジカ熱に詳しい神奈川県衛生研究所の高崎智彦所長は「大人の脳への感染報告は聞いておらず、人で同じようなことが起きるとは考えにくい。だが小頭症になった子については継続して影響を調べる必要がある」と話している。〔共同〕