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「名古屋議定書」を批准 遺伝資源の利益分配

政府は19日、発展途上国などで入手した生物の遺伝子を利用して開発した薬などの利益を、提供国に適切に分配するルールを定めた「名古屋議定書」の批准を閣議決定した。22日に国連本部に批准書を提出する。

製薬会社や大学は日本の指針や提供国の国内制度に基づき、事前の契約手続きなどが求められるようになる。指針は日本が正式な締約国となる8月20日から適用される。

無断で生物を国外に持ち出す"海賊行為"に歯止めをかける一方で、豊かな自然を抱える途上国が正当な恩恵を受けられるようにする目的。得られた利益を生物多様性の保全に役立ててもらう狙いもある。

議定書は2010年に名古屋市で開かれた生物多様性条約第10回締約国会議で採択。14年に発効し、すでに97の国と地域が批准したが、日本では厳しい指針ができて資源利用が制限されるとの懸念が産業界や研究者にあり、批准手続きが遅れていた。

植物や微生物には医薬品や化粧品の開発に役立つ成分をつくるものがある。国の指針は、そうした生物の遺伝資源を利用する企業が、事前に提供国側と利益分配に関する契約を交わし、国に報告するよう求める。金銭的な利益を伴わない学術研究は、提供国の法令に沿って入手したことを報告し、共同研究や技術提供で成果を共有する。

また目的外使用がないか確認するため、5年をめどに遺伝資源の利用状況の報告を求める。日本は当初、15年までに国内制度を整えて議定書を批准する方針だった。〔共同〕

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