2019年3月24日(日)

売り手市場の就職戦線、過去最高水準に
15年春、大卒就職率96.7%

2015/5/19付
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景気回復に伴う求人増で、大学生の就職戦線は売り手市場が鮮明になっている。今春卒業した大学生の就職率は96.7%で、過去最高だったリーマン・ショック前の2008年春(96.9%)に次ぐ高水準となった。来春に向けて引き続き企業の採用意欲は旺盛で、就職活動中の学生の間では「大手志向」が強まっている。

文部科学省と厚生労働省は19日、全国の国公私立大62校を抽出し、今春卒業した大学生の就職状況を調べた結果を発表した。

就職希望者のうち実際に仕事に就いた人の割合を示す就職率は、4月1日時点で96.7%。前年同期を2.3ポイント上回り、過去最低だった11年(91.0%)から4年連続で上昇した。

就職希望者が大卒全体に占める割合(就職希望率)は72.7%と前年を1.2ポイント上回り、1996年の調査開始以来、最高を記録。卒業時に就職できなかった学生は推計1万3600人で、前年から8600人減った。

人材サービスのディスコが今年1、2月に実施した調査によると、2016年卒の採用数を前年より「増やす」と答えた企業の比率は、従業員300人未満では前年比3ポイント増の25%。1000人以上では6ポイント増の31%だった。

経団連は加盟企業向けの指針を改定し、大手企業の多くは16年卒から採用日程を大きく繰り下げ。これまでより3カ月遅い3月1日から会社説明会が始まり、採用選考開始は4カ月遅い8月1日とされている。だが、すでに内定を出している企業もあり、就職活動は本番を迎えている。

リクルートキャリア・就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「採用開始時期の変更で、企業が早くから学生と接触するために説明会の回数を増やすなど、採用活動の量が増えている」と指摘する。

上智大(東京・千代田)が3月に学内で行った企業説明会には前年度の2倍となる300社以上が参加。文学部の女子学生(21)は4月にベンチャー企業から内定が出たが、「本命は大手保険会社。周りの友達もみんな大手狙い」と話す。

明治大の就職キャリア支援センター(同)では4月ごろから16年春に卒業予定の学生の就職相談が本格化。多い日で100人超が訪れ、BtoC(消費者向け)の大手メーカーや総合商社、金融機関の希望が目立つという。

大手総合リース会社に出すエントリーシートの添削を受けた経営学部の男子学生(23)は食品メーカーを中心に説明会などの情報を収集。「事業内容や働きやすさも大切だが、やっぱり知名度が高い企業に就職したい」と本音をのぞかせる。

4月下旬に合同企業説明会に参加した川崎市のビルメンテナンス会社は6時間呼び込みを続けたが、ブースを訪れた学生は18人。担当者は「小さな合同説明会にも大手が来るので、学生をみんな持って行ってしまう。椅子に座ってもらうのも大変」と嘆いていた。

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