2019年9月19日(木)

救援物資、行き渡らず 「小さな避難所、孤立」
人手やノウハウ、不足

2016/4/18 21:19 (2016/4/19 1:35更新)
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熊本県を中心に九州で相次ぐ地震では、交通網の寸断や人手不足で水や食料などの救援物資が小さな避難所に十分届いていない。震度6強の「本震」から19日未明に72時間が経過。被災者の生存率が著しく下がるとされるが、依然として安否不明者も残る。車の中での避難生活で「エコノミークラス症候群」となり重体となる人も出て、震災関連死への不安も募る。

「小さな避難所は孤立し、行政の支援から漏れている」。熊本市東区で自治会副会長を務める岡本正彦さん(69)は訴える。地元の公民館に高齢者ら約30人が自主避難し、神社の湧き水や自炊でしのいできた。18日にはコメが残り少なくなり、市から物資が届く避難所に助けを求めた。

避難所へ運ぶため集められた救援物資(18日、熊本市東区)

避難所へ運ぶため集められた救援物資(18日、熊本市東区)

市中心部の白川小学校にも、市から届く水や食料はわずかだ。知人のつてで約500人の避難者の分の食材を届けてもらった自営業、服部佳史さん(36)は「行政の対応は混乱して一向に改善されない。自力でなんとかするしかない」と話す。

救援物資がないわけではない。全国の自治体や企業からの支援物資が集められた熊本県民総合運動公園では18日、飲料水や毛布、オムツなどの段ボール箱が山積みになっていた。市職員らは懸命に対応するが人手が足りず、公園内に2~3時間にわたって物資の荷降ろしを待つトラックの長い列ができていた。

男性職員(50)は「バナナやパンなどの食品を優先して発送している」と説明。ただ「どこの避難所で何がどれだけ足りないのか把握が難しい。ノウハウがなく行き当たりばったりの面もある」と手探りの作業だ。

断水が続く同県益城町や西原村では食料や水がようやく届くようになった。西原村の担当者は「17日夕方ぐらいから届き始めた。住民の求めに少しずつ応えられるようになる」とひとまずほっとした表情だ。

だが益城町では14日夜に震度7を観測した後、人々の避難所生活が最長5日に及び、子供にも影響が出ている。同町保健福祉センターには玄関や屋外を含め約600人が寝泊まりしており、隙間もない状況だ。主婦、田原美鈴さん(47)は娘(4)について「肌が弱く、風邪や病気がうつらないか気にしている。清潔にしてあげたいので、せっけんや洗剤を支給してほしい」と話す。

同センターに避難するパート従業員の北島由衣さん(32)の長男(5)は17日に38度近い熱を出した。2階の廊下は夜間も照明が消えず、長女(2)もなかなか寝付けない。「子供の体調が心配」と疲れた表情だった。

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