相続税申告漏れ、海外関連が最多に 13事務年度
今年6月までの1年間(2013事務年度)に実施した相続税に関する税務調査で、海外関連の申告漏れが124件(前年度比9.7%増)で、統計を始めた01事務年度以降、最多となったことが18日、国税庁のまとめで分かった。海外関連の調査件数は753件、申告漏れ総額は163億円で、いずれも最多だった。
国税庁は背景として「納税者の資産運用が国際化している」と指摘している。
国税庁によると、遺産のうち申告から海外資産を除外した約1億5千万円の財産隠しが租税条約に基づく情報交換で発覚し、約6600万円を追徴課税された調査事例があった。遺産相続をめぐり、遺族が海外預金約600万円の存在を知りながら申告から除外していたとして、約240万円を追徴課税されたケースもあった。
一方、全体の申告漏れは9809件(前年度比1.5%減)、総額は3087億円(同7.8%減)。ともに過去10年で最少だった。昨年1月に調査の手続きを定めた国税通則法が改正され、事務作業が増えたことが一因とみられる。