京都府医大事件、学長・組長の関係焦点 虚偽診断の立証難しく

2017/2/19 23:49
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暴力団組長を巡る京都府立医大病院(京都市)の虚偽診断書作成事件で、府立医大の吉川敏一学長(69)と組長は京都府警OB(58)を介して関係を深めたとみられる。2人の結びつきが診断書作成につながったとみて、府警は実態解明を進めるが、専門家は立証の難しさを指摘している。

事件では、恐喝罪などで懲役8年の判決が確定した暴力団山口組淡海一家の総長、高山義友希受刑者(60)の健康状態について、同病院の吉村了勇病院長(64)らが「収監に耐えられない」とする虚偽の回答書を作成、提出した疑いがある。大阪高検は回答書を基に刑の執行を約1年停止し、今月14日に高山受刑者を収監した。

府警は収監に合わせ、府立医大病院などを強制捜査。吉川学長や吉村病院長の自宅、同病院と協力関係にあり、高山受刑者を診察した「康生会武田病院」(京都市)など、大規模な家宅捜索を実施した。

捜査関係者によると、府警OBは暴力団捜査の経験があり、高山受刑者とは幼なじみとされる。医療過誤事件の捜査などを通じ、吉川学長とも面識があった。府警OBは取材に、2人を引き合わせたことは否定したが、高山受刑者から「腎臓移植をしたいが、受け入れるところはあるか」と電話で相談を受け、府立医大などに尋ねたという。

一方、吉川学長が京都市内で複数回、高山受刑者と一緒に会食していたことが判明。学長も大学の調査に会食を認めた。

府立医大病院は2014年7月、高山受刑者の移植手術を実施した。吉村病院長は今月16日の記者会見で「特別扱いをしたことはない」と強調。「虚偽の書類を作成したことは一切ない」「公正、適切に作成した」と全面否定した。

NPO法人医療ガバナンス研究所(東京)の上昌広理事長は、医療行為の裁量の広さから立証は困難との見方だ。「医師が100人いれば100通りの判断がある。前例がなく、診察した医師の判断が間違っていると外部からは言えない」

捜査幹部は吉村病院長らの反論を踏まえ「数値を基に他の医師から意見を聞いている。データ抜きに病気であるとは言えないはず」と話し、客観的なデータ解析から虚偽診断を立証していく考えを示した。〔共同〕

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