「多くの人が励まされた」 田部井淳子さんお別れの会
女性で初めて世界最高峰のエベレストに登頂した登山家で、10月に77歳で死去した田部井淳子さんのお別れの会が18日、母校の昭和女子大(東京・世田谷)で開かれた。国内外の山岳関係者や親交のあった女優、市毛良枝さんら約600人が参列し、故人を哀悼した。
坂東真理子同大理事長は弔辞で「本当に世話好きで、力強い女性だった。たくさんの人が田部井さんに励まされ、人生を歩んでいる」としのんだ。田部井さんの夫、政伸さんは「病気にはなっても病人にはならないという言葉通り、2度目のがんが見つかった後も国内外の山に登り続けた」と、その強さを語った。
祭壇には遺影とともにエベレスト登頂時の写真が掲げられ、会の最後に参列者全員が、全盲のピアニスト、梯剛之さんの伴奏で唱歌「故郷」を歌い、別れを惜しんだ。
田部井さんは福島県出身。東日本大震災の被災者を励まそうと、福島県内の山を一緒に登り、東北の高校生を富士山に連れて行く活動も続けた。一般向けの献花の時間には約800人が訪れた。〔共同〕