2019年8月21日(水)

三度目の正直、上野沸く 西洋美術館 世界遺産へ

2016/5/18 12:51
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20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエが設計した国立西洋美術館(東京・台東)が世界遺産に登録される見通しとなった。2度の見送りを経た「三度目の正直」。都内では初めての世界文化遺産誕生となる。地元で登録を求めて活動を続けてきた人たちは「長年の夢がかなった」と喜びの声を上げた。

世界遺産への登録がほぼ確実となった国立西洋美術館(18日、東京都台東区)

世界遺産への登録がほぼ確実となった国立西洋美術館(18日、東京都台東区)

10年間にわたって世界遺産登録を目指す活動を続けてきた「世界遺産登録たいとう推進協議会」会長の石山和幸さん(84)は「胸がいっぱい。ようやく報われた」と声を弾ませた。

石山さんは「美術館についてきちんと説明ができるよう勉強会の回数を増やしたい」と話した。

上野周辺を「文化の杜(もり)」として文化芸術活動の拠点とする構想を進める実行委員会の桧垣康彦事務局長(54)は「これを機に上野の魅力を発信していきたい」と意気込む。近隣に点在する著名建築家の作品も巡る「建築ツアー」を実施する予定という。

服部征夫・台東区長は「地域の魅力を一層強く、世界に発信できる」とするコメントを出した。

コルビュジエに詳しい山名善之・東京理科大教授(49)は「日本は最も影響を受けた国といえる。西洋美術館はそれを象徴する建物だ」と指摘。「見た目も美しいが、太陽の光を受けた時の内部の色がきれい。そこに注目して見てほしい」

ロンシャンの礼拝堂(フランス、下田泰也氏撮影)

ロンシャンの礼拝堂(フランス、下田泰也氏撮影)

コルビュジエに師事した前川国男氏が設立した前川建築設計事務所の橋本功所長(70)は「大変うれしい。この機会に近代建築に興味をもってくれる人が増えればいい」と話した。

インド・チャンディガールの議会棟(左)と高等裁判所(右)=文化庁提供

インド・チャンディガールの議会棟(左)と高等裁判所(右)=文化庁提供

インド・チャンディガールの行政庁舎(文化庁提供)

インド・チャンディガールの行政庁舎(文化庁提供)


18日午前、国立西洋美術館を訪れた人たちも東京初の世界文化遺産誕生を歓迎した。

「5、6年前から今か今かと心待ちにしていた」。世界遺産巡りが趣味という東京都荒川区のIT企業経営、新前正美さん(69)は年に一度は訪れる西洋美術館の登録勧告を喜ぶ。「同時に推薦された作品の中でも建築様式がシンプルで一番好きな建築物。すぐ行ける距離に世界遺産があるなんてうれしい」と話す。

マルセイユのユニテ・ダビタシオン(フランス、下田泰也氏撮影)

マルセイユのユニテ・ダビタシオン(フランス、下田泰也氏撮影)

フィルミニの文化の家(フランス、下田泰也氏撮影)

フィルミニの文化の家(フランス、下田泰也氏撮影)


新宿区の団体職員、宍戸良美さん(61)は「7カ国が共同で推薦したことに意義を感じる。これからは建築様式にも注目してみたい」。

ルーマニアから来た男性(39)は「(登録勧告のニュースは)知らなかった。中に入るのが楽しみ」。フランスからの観光客の女性(40)は「コルビュジエの建築なら選ばれて当然」と話していた。

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