2019年1月23日(水)

司法取引の導入決定 法制審答申、可視化を義務付け

2014/9/18付
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法制審議会(法相の諮問機関)は18日開いた総会で、司法取引制度の新設や取り調べの録音・録画(可視化)の義務付けを柱とする刑事司法制度の改革案を正式に決定した。総会後、伊藤真・法制審会長(早稲田大教授)は松島みどり法相に改革案の要綱を答申した。

答申には▽通信傍受の対象拡大▽検察の証拠リスト開示制度――なども盛り込まれ、日本の刑事司法史上、大きな制度改正となる。

新制度の実施には、刑法や刑事訴訟法、通信傍受法など、関連する幅広い法律の改正が必要。法務省は来年の通常国会での関連法改正案の提出を目指し、新制度の具体的な運用方法や実施時期などを詰める。

新設される司法取引制度は、容疑者や被告が第三者の犯罪を明らかにした場合に、見返りとして検察官が起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりできるようにする仕組み。

対象は汚職や詐欺などの経済事犯、薬物・銃器犯罪などに限定され、透明性を維持するために取引には弁護人の同意が必要とされた。

初めて義務化される可視化は、殺人や傷害致死といった裁判員裁判の対象事件と、検察の独自捜査事件が対象。原則として取り調べの全過程をDVDなどに記録し、公判で▽取り調べに問題がなかったか▽供述内容が信用できるか――などを判断する証拠として使う。

最高検は今年6月、今回の義務化対象以外でも、捜査段階の供述が公判で問題になりそうな事件ではできるだけ取り調べを録画するよう全国の検察に通知した。東京地検などは通知に沿って幅広い事件で可視化を進める方針だ。

現在は薬物事犯や集団密航などに限定されている通信傍受は、被害が深刻な振り込め詐欺事件や組織的な窃盗事件を想定して対象を拡大。検察側が証拠の一覧表を弁護側に交付する制度も新たに導入される。

答申は今回盛り込まれなかった▽犯罪拠点に傍受装置を仕掛ける「会話傍受」▽再審事件での証拠開示の拡充▽起訴状や判決での被害者の匿名化――などの施策についても、引き続き導入の是非を検討するよう求めた。

法制審は大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を受け、刑事司法全般について見直す特別部会を2011年に設置。特別部会は今年7月に最終的な答申案をまとめていた。

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