2018年12月10日(月)

三保松原の松葉を燃料に 市民が「産廃」を再生

2014/9/19付
保存
共有
印刷
その他

富士山の構成資産として世界文化遺産に登録された三保松原(静岡市清水区)の環境保全に自治体が取り組む中、これまで産業廃棄物として扱われていた松葉を固め、燃料として利用する市民団体の活動が注目を集めている。主宰する同区の寺尾功さん(50)は「環境保全と地域の活性化を両立できる」と意気込んでいる。

寺尾さんらが作っているのは、松葉を固めた燃料用のペレット「まつペレ」。銭湯や農業用の温室などでの利用を想定しているほか、三保松原周辺に、まつペレで沸かした足湯を作り、観光客を呼び込む構想もある。

世界遺産登録をきっかけに立ち上げられた市民団体「三保松原フューチャーセンター」がまつペレを考案した。ペレットストーブの販売事業を営む寺尾さんは昨年8月、同センターから「松葉を利用してペレットを作れないか」と持ち掛けられ、センター内の「まつペレプロジェクト」代表を務めている。

寺尾さんによると、松葉が落ちたままになっていると土壌が栄養を過剰に含んでしまい、松が弱りやすくなる。40~50年ほど前までは地元の人が松葉を拾い、家庭用燃料として利用していたが、ガス・電化製品の発達で放置されるようになり、今は自治体が産業廃棄物として処分している。

静岡市で育った寺尾さんは以前から三保松原周辺のごみ拾いをしていたといい、「世界遺産になったのだから市民にも保全活動ができないかと考えた」と話す。昨年9月、まつペレの試作に成功。翌10月には県内のビジネスプランコンテストに応募し、最優秀賞を獲得した。

年間で約100トンを生産できる見込みだが、足湯設置などを実現するには、自治体の協力が不可欠で課題も多い。寺尾さんは「世界遺産を舞台に、不要なものを再利用する環境保全のモデルをつくりたい。行政にも、予算や観光客の呼び込みの面で協力を求めていきたい」と話している。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報