露店、衛生規範徹底されず 静岡の冷やしキュウリ食中毒

2014/8/18付
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静岡市の花火大会の露店で売られた浅漬けの冷やしキュウリによって腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒が発生し、発症者は過去10年間の食中毒で最多の481人となった。浅漬けによる食中毒では2年前に8人が死亡。厚生労働省が原材料を塩素消毒するよう衛生規範を全面改正していたが、露天商には徹底されていなかった。

7月26日夜、静岡市葵区で開かれた安倍川花火大会。午後8時でも気温は30度を下回らず、氷で冷やされたキュウリに涼を求め、見物客らが長い列をつくった。

キュウリは同市駿河区の男性(38)が販売。男性と家族ら5人が午後1時半ごろから約500メートル離れた場所に止めたワゴン車内で皮をむき、浅漬け液に漬けていた。客の好みで塩、みそ、マヨネーズを付け、1本200円で千本を売り切った。

食べた人たちが腹痛や血便などの症状を訴えるようになったのは31日ごろから。8月に入り患者が急増した。食べた人の約半数が発症し、市保健所は汚染がかなり深刻だったとみている。

県食品衛生法施行条例では、お好み焼きなどの調理が必要なものは保健所の許可が必要だが、綿菓子や焼き芋など加工が単純なものは不要。冷やしキュウリも許可が要らない食品に該当する。

浅漬けは加熱殺菌されず、塩分濃度も低いことから他の漬物よりも菌が繁殖しやすいとされる。2012年には札幌市の食品会社の浅漬けを食べた160人以上が食中毒を発症し、4~102歳の女性8人が死亡。厚労省は漬物の衛生規範を全面的に見直し、塩素系溶液での殺菌や、原材料を流水で十分に洗浄し10度以下で保存することなどを盛り込んだ。

駿河区の男性は調理にアルコール消毒した手袋や皮むき器を使用したものの、キュウリの洗浄にはペットボトルの水を使い、塩素消毒していなかったとみられる。

静岡市保健所の検査で調理器具から菌は検出されず、調理に当たった6人の検便で1人から菌が検出されたが、当該人物は「キュウリを食べた」と証言。感染経路の解明は難しい状況だ。

県や市は今後、冷やしキュウリは浅漬けであると判断し、再発防止に向け、露店業者にも漬物の改正規範を守るよう指導していく方針だ。

食の安全に詳しい消費者問題研究所の垣田達哉代表は「そもそも露店で売られているものは衛生面で心配なものが多い。子どもには非加熱のものを食べさせないなど注意が必要」と話している。〔共同〕

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