二審も「不正」告発側に賠償命令 東北大前学長の論文訴訟

2015/2/17付
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論文不正の疑いをインターネット上で告発されて名誉を傷つけられたとして、東北大の井上明久前学長が、日野秀逸名誉教授ら4人に計1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は17日、名誉教授らに計110万円の支払いを命じた一審仙台地裁判決を支持、双方の控訴を棄却した。

問題になったのは「金属ガラス」という合金の作製に関する前学長らの論文。判決理由で中西茂裁判長は、論文に疑問点が残ると認めたが「作製自体は理論的に可能で、捏造(ねつぞう)、改ざんがあったとは言えない」と指摘した。さらに「疑問は科学者同士で議論すべき問題で、これを超えて捏造、改ざんがあると公表するのは名誉毀損で違法だ」と判断した。

一方で中西裁判長は、論文に記された数値などが厳密さに欠けると指摘し「前学長の説明で疑問が解消されたとは言えず、論文にある実験の再現性も確認されていない」とした。

判決によると、名誉教授らは2009年、前学長らの論文に捏造の疑いがあると東北大に告発、名誉教授らのホームページに告発文を載せた。訴訟では、前学長とともに提訴した共同研究者が、一審判決前に提訴を取り下げ、控訴審で論文の内容に疑問を呈していた。〔共同〕

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