高浜原発差し止め維持 大津地裁、関電側申し立て却下
(更新)
関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)を巡り、大津地裁(山本善彦裁判長)は17日、3月に同地裁が出した運転差し止めの仮処分決定に対し、関電が決定の効力を一時的に止めるよう求めた執行停止の申し立てを却下する決定をした。
高浜3、4号機は運転できない状態が続く。関電側が仮処分決定の取り消しを求めた異議の審理は既に終えており、異議審の決定も早ければ今夏に出る見通し。
決定理由で山本裁判長は、2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故について「原因究明ができたと認められない」としたうえで「(事故後に策定された)国の新規制基準での審査に合格しただけで安全性が確保されたとはいえない」と指摘、関電の申し立てを退けた。
高浜3、4号機の運転を差し止める仮処分を求めていたのは滋賀県内の住民。今回と同じ山本裁判長が3月9日、運転差し止めの仮処分決定を出した。
関電は翌10日、稼働中だった3号機を停止させる一方、決定の取り消しを求める異議とともに、効力を止める執行停止を併せて申し立てていた。異議審も山本裁判長が担当している。