2019年2月23日(土)

「サイバー救助犬」試験運用へ 動物とロボット技術融合

2015/10/22付
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災害現場で行方不明者を捜索する災害救助犬にカメラや計測機器などを取り付け、人間がリアルタイムで行動を把握できる「サイバー救助犬」の試験運用が年内にも始まる見通しであることが22日までに、分かった。動物とロボット技術を融合させた世界でも珍しい取り組み。犬の捜索状況が救助隊員に正確に伝わることで、人命救助の迅速化につながると期待される。

研究は東日本大震災をきっかけに始まった。犬に装着する機器の研究を進めてきた東北大の大野和則准教授(ロボット工学)らの研究チームが、NPO法人「日本救助犬協会」(東京都)に年内にも機器を貸し出す形で配備する。同協会によると、日常の訓練や実際の災害現場での運用を通じて練度を高めるとともに、機器の改良につなげる。

災害救助犬は、人間の1億倍ともされる鋭い嗅覚を生かし、地震や崖崩れ、雪山などの現場で行方不明者を捜索する。要救助者を見つけるとほえるように訓練されており、日本でも近年活用が広がりつつある。

研究チームは、全地球測位システム(GPS)やカメラ、センサーを備えた重さ約1キロの犬用の機器を開発。捜索犬の背中に装着することで、犬の視界にある映像や音声のほか、GPSや気圧、加速度のデータから犬の位置、行動の軌跡をリアルタイムで周囲の携帯端末に伝える仕組み。

このシステムは「レスキューロボドッグ」と名付けられ、犬の捜索行動を可視化できる。犬の周囲の状況が救助隊に正確に伝わることで、捜索の迅速化や効率化が期待でき、救助隊員や救助犬の二次災害の防止にもつながるという。

大野氏は「犬が言葉で伝えられないことがデータで示される。犬による探査の有効性を多くの人に知ってもらえたら」と話している。〔共同〕

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