不正関与の3人が落選、5人当選 富山市議選
計4千万円を超える政務活動費の不正が発覚し計14人が辞職した富山市議会(定数38)の任期満了に伴う市議選は16日投開票された。焦点となった不正に関与した候補計8人のうち元職と自民党現職2人の計3人が落選。自民現職5人が当選した。自民は引き続き過半数を維持したがトップ当選は共産党候補だった。
富山で問題が発覚した昨年8月以降、各地で不正が表面化し、地方議会の在り方が問われた。投票率は47.83%で、前回2013年市議選を5.22ポイント下回った。定数は今回から2減し、58人が立候補する激戦となった。
関与した8人の内訳は不正を認め辞職し自民党を離党した元職、浦田邦昭氏(70)と不適切使用を認めた自民現職7人。
浦田氏は不正で辞職した14人の中で唯一の立候補だった。敗戦決定直後、選挙事務所に現れた浦田氏は憔悴(しょうすい)し切った表情で「予想以上に大逆風を感じた」と述べた。
領収書の改ざんなどで政活費を返還した自民現職、吉崎清則氏(53)は落選が決まると選挙事務所に集まった支持者にくり返し土下座。「このような結果になり無念です」と声を絞り出した。
党派別当選者は不正関与の5人を含めた自民党22人、民進党1人、公明党4人、共産党2人、日本維新の会2人、社民党3人、諸派2人、無所属2人。現職31人、新人7人だった。
富山市議会では昨年8月以降、政活費の不正請求が相次いで発覚し、1カ月余りで12人が辞職。11月の補欠選挙後も2人が辞職した。市民団体が浦田氏ら元市議4人を詐欺容疑で告発。富山県警の捜査が続いている。〔共同〕