2019年4月19日(金)

伊文学者・須賀敦子さんの書簡55通発見 「恋は終りました」

2014/10/18付
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「ミラノ霧の風景」などの作品で知られるエッセイストでイタリア文学者の須賀敦子さん(1929~98年)が友人夫妻に送った書簡55通が、17日までに見つかった。須賀さんの全集にも収められていない未公開のもので、「私の恋は終りました」と率直な思いを吐露するなど、人間須賀敦子の姿が浮かぶ資料だ。

一部は24日創刊の雑誌「つるとはな」に2回に分けて掲載されるほか、同日から神奈川近代文学館(横浜市)の「須賀敦子の世界展」で展示される。

同誌編集制作の作家、松家仁之さんによると、手紙は須賀さんがイタリア人の夫と死別後、71年に帰国してまもなく知り合った米国からの留学生と北海道出身の妻の2人宛てで、75年から97年までに書かれた。須賀さんがハワイに暮らす夫婦を訪ねたり、亡くなる直前の須賀さんを妻が数カ月世話をしたり、親しく交流した。書簡の今後の扱いを悩んだ夫妻が、コピーを須賀さんの妹に渡したことで、存在が明らかになった。

書簡には「もう私の恋は終りました。その人をみてもなんでもなくなってしまった」(77年5月)、「私のなかには、やっぱりなにか放浪したいものが住んでいて、まだ自由になりたいと思いつづけています」(77年8月)などと書かれている。

また「詩を訳したりessayを書いたりすることも最高に幸福なのですが、それがすぐに、世間という場の中でrankされてクギヅケ、ハリツケになる」(同)と記すなど、書くことに関する複雑な思いもうかがえる。〔共同〕

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