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イタイイタイ病、未認定者の救済進まず 一時金申請が想定下回る

富山県・神通川流域の「イタイイタイ病」で、原因企業の三井金属(東京都)が公害病と認められなかった被害者に一時金の支払いを決め、被害者団体と「全面解決」を確認して17日で3年を迎えた。認定されなかった人たちに救済の道が開かれたが、申請者は当初の想定を大きく下回る。関係者は高齢化し、四大公害病の一つとして被害を伝え続ける活動が先細りしないか憂慮する声も上がっている。

「イタイイタイ病の仲間に入りたくないのだろう」。1972年、三井金属に勝訴した裁判闘争に関わり、語り部を続ける高木良信さん(86)は名乗り出ない住民の心情を推し量る。申請した住民の8割が80歳以上。差別や偏見が強かった影響が残り、他人に知られることに抵抗があるという。

三井金属は2013年、被害者団体「神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会」(被団協)と一時金の制度創設で合意。60万円が支払われるようになった。だが対象者500~600人の見込みに対し、今年11月末までに支払いを受けたのは137人にとどまる。

患者を診察する富山市の青島恵子医師は「腎臓障害は自覚症状のない場合が多い。受診や申請のために家族や周囲の気遣いが必要だ」と訴える。

イタイイタイ病は神岡鉱山(岐阜県)から流れたカドミウムが原因で、腎臓障害に続き骨がもろくなるなどの症状が出る。国の基準で認定された患者に企業側は賠償金や医療費などを支払ってきた。腎臓障害のみの段階では対象にならなかった。

流域の水質改善や土壌復元が進み、全面解決の合意で一定の区切りがついた一方、問題風化への懸念も出ている。被団協は14年、公害や環境対策に取り組む団体に環境賞を贈る基金を設立し、人材育成を図る。高木勲寛代表理事(75)は「病気のことは知ってほしいが『大変だったね』で終わってほしくない。救済活動に加え、環境教育を含めた未来志向の活動を続けたい」と話した。〔共同〕

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