ムスリム受刑者に配慮を 栃木刑務所、日弁連が要望
日弁連は17日までに、栃木刑務所(栃木県栃木市)が、イスラム教徒の女性受刑者から礼拝で使うスカーフを預かり保管したほか、ラマダン(断食月)中の食事などに配慮せず、憲法が保障する信教の自由を侵害した可能性があるとして、改善を求める要望書を同刑務所と法務省に提出した。
日弁連によると、女性はバングラデシュ国籍で、仮釈放済み。イスラム教徒の女性は礼拝時に手と顔以外を衣服で覆う必要があり、2006年の収容当初からスカーフを持っていたが、14年1月に規定より大きいとして刑務所が所持を許可しなかった。刑務所が用意した代替品は大きさが足りなかったという。
また、礼拝時間を知るための時計も所持を認めなかったほか、ラマダン中の食事にも配慮がなかったなどと訴えた。
栃木刑務所は、女性に規定以下の大きさのスカーフを差し入れてもらうよう何度も指導したが応じなかったとし、「対応に違法性や不当な点はなかった」としている。
法務省矯正局は「規律や秩序の維持に支障がない範囲で、宗教上の行為への配慮に努めたい」とコメントした。〔共同〕