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先生の悩み、SNSで解決 ベンチャーの交流サイト人気

世界一多忙といわれる日本の教員を支えようと、東京のベンチャー企業が今年3月に立ち上げた教員専用の会員制交流サイト(SNS)「センセイ・ノート」が人気だ。掲示板で悩みを相談するだけでなく、授業や学級運営のコツから定期試験の問題例まで、さまざまな情報を得ることができる。教員同士が支え合う輪が広がっている。

「日々の宿題の対応はどうされてますか。チェックや丸付けなどに毎回時間がかかります。いい方法はないかと試行錯誤中です」。2年目という教員が書き込むと、ほかの教員が「算数の宿題を出した時は答えを黒板に貼って、自分で丸付けをしてから提出させるようにしています」と回答を寄せた。

センセイ・ノートの仕組みはフェイスブックに似ている。会員は教員や教員志望者らに限定し、実名で勤務先と連絡先を登録する。小中高や都道府県ごとにほかの教員を探し、メッセージをやりとりすることも可能だ。職場を超えて仲間を見つけ、教員同士がつながることができる。

「質問板」に投稿すれば、ほかの教員からすぐさま回答がある。質問と回答は匿名も可。授業の進め方や生徒指導の方法といった専門的なものから職場の懇親会への出席をどうするかなど、さまざまな悩みが並ぶ。

「引き出し」と名付けられたコーナーには教員自作の教材や指導計画、学級通信などの資料が投稿されている。ほかの会員は自由に活用でき、資料を投稿した教員は使用した教員からアドバイスをもらって自分の実践の質を高めている。

サイトを立ち上げたベンチャー企業「ルーペ」代表の浅谷治希さん(29)は教育系の企業出身。教員をしている高校時代の同級生の姿を見て、アイデアを思いついた。

経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本は事務作業も含む仕事時間が最も長いとの結果が出た。だが、小規模の学校が増えて同僚の数は少なくなっているうえ、団塊世代の大量退職で若手教員の相談相手は減っている。浅谷さんは「多忙な教員は職員室で孤立しがち。つながりをつくることで先生を支えたい」と語る。

会員数は11月末時点で約8千人。サイトの開設当初から利用している新潟県の井上幸信教諭(37)は「同僚に相談しにくいことでも、匿名ならやりやすい。不安や弱さを見せることもできる」と話している。〔共同〕

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