小学校のいじめ、最多11万8800件 13年度
全国の小中高校などが2013年度に把握したいじめは18万5860件だったことが16日、文部科学省の問題行動調査で分かった。このうち小学校は11万8805件で、2年連続で過去最多を更新した。文部科学省は「学校などが掘り起こしを進めた結果だ」と分析している。小学生による暴力行為は1万896件となり、1997年度の調査開始以来初めて1万件を超えた。
小中高校などのいじめは過去最多だった12年度(19万8109件)に次ぐ件数。小学校のほかは中学校5万5248件、高校1万1039件などだった。認知件数はいじめが社会問題化すると急増し、翌年以降は大幅に減る傾向にあったが、大津市のいじめ自殺事件後の12年度調査から連続して高い数字となった。
いじめの内容(複数回答)は「からかいや悪口」が64.4%で最も多かった。「パソコンや携帯電話での誹謗(ひぼう)中傷」は過去最多の8787件(4.7%)。文科省は「交流サイト(SNS)などが関連する新たな形態が増えている」とみている。いじめを1件以上把握した小中高校などは51.8%にあたる2万4校だった。
昨年9月施行のいじめ防止対策推進法は児童生徒が生命身体に大きな被害を受けるいじめなどを「重大事態」と規定している。13年度は159校で181件発生した。同年度に自殺した240人のうち、いじめとの関係が判明したのは中学生7人、高校生2人だった。
暴力行為は小中高で計5万9345件だった。ピーク時の09年度(6万915件)には及ばないが、12年度より3509件増えた。増加の理由について、都道府県教育委員会からは「感情をコントロールできない児童生徒が増えている」などの回答が多いという。