「太陽の塔」改修へ 今秋から耐震工事
1970年に大阪で開催された国際博覧会(万博)のシンボル「太陽の塔」の耐震補強工事が、今秋から始まる見通しとなった。内部の展示品も修理、復元され、往年の"輝き"を取り戻した姿は2018年3月から有料で一般公開される。
万博記念公園(大阪府吹田市)にある太陽の塔は高さ約70メートルで、故・岡本太郎氏がデザイン。耐震工事は昨年夏の2度の入札で、芸術作品を改修するという専門性の高さから、予定価格内で応札できた建設会社がなかった。
今年7月の入札で工事費の予定価格を上積み。万博当時の塔建設に関わった大林組が12億8600万円で落札し、めどが立った。
万博閉幕後、一般公開されなかった塔内部には、原生生物が人類へと進化する過程を表したオブジェ「生命の樹」(高さ40メートル)がある。巨大な樹木の幹や枝に飾られたアンモナイト、恐竜、ゴリラなどの展示品は、半世紀近くが経過し劣化による損傷が目立っているが、修復される予定だ。
塔の外側には「太陽の顔」など3つの顔がある。4つ目の顔「地底の太陽」は塔の地下で展示され、閉幕後に行方不明になっていたが復元し、地下展示室も新設する。〔共同〕