食文化継承の先進例を調査、農水省 農村活性化へ手引
農林水産省は、伝統的な食文化の保存・継承に熱心な全国10程度の市民団体などを選び、取り組みを調査する。地場産品のブランド化や地産地消といった工夫を聞き取り、年度内に手引としてまとめる。他地域の参考にしてもらい、農村活性化や担い手育成を目指す。
年中行事と密接に関わる郷土料理の継承や、地域固有の伝統野菜を生かす活動を想定。日本の食文化は農村社会の衰退や核家族化もあり継承が危ぶまれているが、農水省は和食の無形文化遺産登録も追い風に、保存の機運を高める狙い。
調査候補として、高校生が伝統野菜などを使ったメニューを競い合う「食の甲子園」を手掛ける「おいしい山形の食と文化を考える会」(山形県)や、暑気払いや節分といった行事食を伝えるNPO法人「とうもんの会」(静岡県)などが挙がっている。
調査は三菱総合研究所(東京)に委託する。農水省担当者は「地域の食文化を守るため、自分の地域には何が必要なのかを見極めるヒントとして役立ててほしい」と話している。〔共同〕