2019年9月15日(日)

都市災害、進む「備え」 阪神大震災20年

2015/1/16付
保存
共有
印刷
その他

6千人以上が亡くなった阪神大震災は17日、発生から20年を迎える。企業や行政の機能も大きな打撃を受け、国全体として都市の防災体制を見直す契機となった。未曽有の広域災害となった東日本大震災も経験し、企業や自治体の「備え」は進化しているが、万全ではない。時の経過による危機意識の薄れ、防災・減災の人材不足、かさむ費用などの課題もある。

阪神大震災から20年を迎える神戸市中心部(7日)

阪神大震災から20年を迎える神戸市中心部(7日)

全国銀行協会(東京・千代田)は昨秋、大規模災害時に金融機能がまひすることを防ぐため、約150行が参加する合同訓練を実施した。金融業界は決済システムなどが複雑に絡み合う。各行の事業継続計画(BCP)が実際に機能するかどうかを点検した。

業界を挙げての訓練は2010年11月に初めて実施した。政府は今後想定される首都直下地震や南海トラフ地震の非常時に、被災地対応や内閣機能の維持に加え、金融・経済システムの安定にも優先して取り組むと決めている。

日本製薬工業協会(東京・中央)も12年、「災害時医療用医薬品提供マニュアル」をつくった。東日本大震災時には手探りで会員企業から大量の医薬品を集めて被災地に届けたが、あらかじめ手順を定め、すばやい被災者支援に備える。

阪神の被害を教訓に、企業などの危機管理意識は高まった。内閣府の14年調査によると、大企業の54%はBCPを策定済み。中堅企業は25%だった。国は20年までに大企業100%、中堅企業50%の策定をめざすが、「BCP策定の予定はない」との回答も増える傾向にある。理由は「人材が確保できない」「必要性を感じない」などが目立ち、BCP策定後にかかる費用も一因とみられる。

自治体も行政機能を維持するため、他自治体から職員を受け入れたり、派遣したりする計画づくりを進める。岩手県は昨年3月、「受援応援計画」を策定。義援物資やボランティアの受け入れ方法も明確にした。

ただ、総務省消防庁の調査では、大規模災害時に優先する業務などを定めたBCPを策定済みなのは都道府県が60%。市町村では13%にとどまる。予算や防災担当者の少ない自治体などで進んでいないようだ。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。