「優性」「劣性」用語使わず 日本遺伝学会が言い換え
日本遺伝学会(会長・小林武彦東京大教授)は15日までに、長年使ってきた「優性」や「劣性」との用語を使わず言い換えることを決めた。遺伝子に優劣があるとの誤解を避けるため。教科書の記述も変更するよう、関連学会とともに文部科学省に要望書を提出する。
遺伝学では100年以上にわたり、遺伝子の2つの型のうち特徴が現れやすい遺伝子を優性、現れにくい遺伝子を劣性と呼んでいた。今後は優性を「顕性」、劣性を「潜性(せんせい)」とする。小林会長は「自分の遺伝子配列が分かる時代だけに、これから勉強する人たちは新しい用語を使ってほしい」と話す。
学会は、これを含めて100ほどの用語について変更を提案。「突然変異」の原語に「突然」という意味は含まれていないため「突然」を除いて「変異」とする。「色覚異常」や「色弱」も「色覚多様性」と変更する。〔共同〕