相続税対象者、基礎控除下げで8割増 15年
国税庁は15日、2015年に亡くなった約129万人のうち、財産が相続税の課税対象となったのは前年比83%増の約10万3千人だったと発表した。対象となったのは8.0%と同3.6ポイント高まった。課税割合は現行の課税方式となった1958年以降で過去最高となった。
相続税は相続財産から基礎控除と呼ばれる非課税枠を差し引いて計算する。15年1月から基礎控除が「5000万円+1000万円×法定相続人の数」から、「3000万円+600万円×法定相続人の数」に引き下げられた。このため課税対象者の裾野が広がった。
基礎控除の引き下げの影響に加え、路線価の上昇や株高による財産価格の上昇なども課税対象者の増加の背景にあるとみられる。
相続税の税額は1兆8116億円と同30.3%増加。対象者が広がった一方で、1人当たりの税額は1758万円と、715万円減少した。
相続財産の内訳は土地が38.0%(金額ベース)で最も多く、現金・預金などが30.7%、有価証券が14.9%で続いた。東京国税局に限ると課税割合は12.7%(前年は7.5%)で、全国12カ所の国税局・事務所の中で最も高かった。