「信頼がた落ち」文科省内からも不満 「加計」文書確認
学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡る文書についての文部科学省の追加調査で、一部の文書が省内に存在することが、15日明らかになった。当初はかたくなに再調査を拒んでいた文科省。ちぐはぐな対応に、省内からも「信用がた落ちだ」と不満の声が上がった。
「当初から文書は存在すると思っていた。この1カ月間はなんだったんだ」。同省の中堅職員は上層部への不満を漏らす。「教育現場を指導する立場なのに、これでは信頼されない」
同省は天下り問題でも批判を浴びたばかり。若手職員は「不祥事ばかりで注目されるのは不本意。大学入試改革など重要な教育課題を解決すべきときなのに残念だ」と肩を落とす。
文書には「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などの言葉が並び、獣医学部新設を早急に進めるよう内閣府が文科省に強く迫ったとうかがわせる内容。別の職員は「文書が存在するかだけではなく、内閣府との間でどういうやりとりがあったか検証する必要がある」と話す。
省内は14日夜から15日午前にかけて、追加調査結果の公表に向け詰めの調整に追われた。書類を抱えた同省幹部らが松野博一文科相の部屋に入れ代わり立ち代わり出入りしていた。