2018年12月19日(水)

「ドン」経験ない揺れ 熊本地震、家屋倒れ道路陥没

2016/4/15 1:59
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「体験したことがない揺れ」――。14日夜に九州を襲った地震では、熊本県内で建物が崩れ、道路が陥没するなど大きな被害が出た。死者のほか、多数のけが人や建物に閉じ込められた人もいるとみられ、自治体が被害の把握を急ぐ。余震が続くなか、住民は不安な夜を過ごした。

「感じたことがない揺れで跳び起きた」。震度7を記録した熊本県益城町の無職、二宮治彦さん(61)は自宅で就寝中、激しい揺れに襲われた。倒れてきたタンスを腕で押しのけ、停電の中を両親と身を寄せ合った。「室内は真っ暗。コップが割れ、ガラスが散乱しているようだが、何も見えない」と声を震わせた。

同町にある熊本空港。「最初に『ドン』と大きな音がして、経験がない強い揺れが1分ほど続いた」。男性警備員によると、空港ビルの壁や柱にひびが入った。最終便の到着後で空港内に乗客はほとんど残っていなかったが、「航空機や建物に被害がないか急いで確認している」と話す。

益城町に隣接する西原村の女性(70)は夫(73)と就寝中に突然、揺れに見舞われた。「壁が裂けるかと思うくらいゆがんだ。こんなに怖い体験は初めて」。寝室のタンスの上から置物や写真立てが落ち、激しい音を立てて割れたという。

益城町のあちこちで家屋が倒壊したり、道路が陥没したりする被害が発生。熊本県警によると、町内では家屋が倒壊、住民らが生き埋めとなったとの情報も複数あり、消防などが救助を急いでいる。

熊本城でも石垣が倒壊するなど大きな被害が出ている。一部で瓦が落ちたが、けが人の情報はないという。

益城町の保健福祉センターには午後10時時点で約100人が避難し、眠れぬ夜を過ごした。周辺には半壊住戸が複数あり、割れたガラスなどによるけが人が治療を受けた。センターの男性職員(27)は「避難者に割り振る部屋が足りず、人々が廊下にまであふれている」。益城町役場には住民らが殺到し、屋外の駐車場で毛布にくるまるなどした。

最初の地震以降も最大で震度6クラスの余震が続く。益城町に隣接する同県西原村では、約10分おきに強い揺れに見舞われるなか、村役場の職員が情報収集に追われた。一部の公民館では避難者が収容人員を超え、小中学校の体育館も受け入れの準備を急いだ。

震度6弱を観測した同県玉名市は午後11時ごろ、市内4カ所に自主避難所を開設した。15日午前0時時点で計約40人が避難しているという。市役所防災安全課の担当者は「揺れが何度も続き、船酔いのような状態。ガスの元栓を閉めるなどして安全に避難するよう呼びかけている」。

病院ではけが人の治療に追われた。熊本中央病院(熊本市)ではカルテなどが散乱するなか、医師や看護師が落下物で負傷した患者らの治療にあたった。当直中だった女性事務員(30)によると、入院患者は無事だったが、停電の影響で磁気共鳴画像装置(MRI)など大型の医療機器が使えない。事務員は「患者の安全確保を急ぎたい」と話した。

短文投稿サイト「ツイッター」などには震源地周辺の住民とみられる写真付きの投稿が相次いだ。

「ヤバイ、ヤバイ」「余震怖い」。つぶやきとともに、商店街の地面にひびが入ったり、熊本城の石垣が崩れたりする写真が投稿された。電話がつながりにくい中、ツイッターやフェイスブックでは自身の無事を伝えたり、熊本県に住む知人などを心配したりする声が目立った。

スーパーの商品棚からワインの瓶が落下し、通路が真っ赤に染まる様子や、書店の棚から大量の書籍が落下した写真も続々と投稿された。

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