AIJ事件で実刑確定へ 年金詐欺、元社長らの上告棄却
AIJ投資顧問(東京・中央、現MARU)の年金詐欺事件で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は14日までに、詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)の罪に問われた元社長、浅川和彦被告(63)ら3人の上告を棄却する決定をした。12日付。浅川被告を懲役15年とした一、二審判決が確定する。
ほかに実刑が確定するのは、同じ罪に問われた元取締役、高橋成子被告(56)とAIJ傘下のアイティーエム証券元社長、西村秀昭被告(60)。一、二審判決は2人を懲役7年とし、さらに3人に連帯して約157億円の追徴金を命じた。
一、二審判決によると、浅川被告ら3人は2009~12年、17の年金基金に虚偽の運用実績を示し、水増し価格でファンドを販売して計約248億円をだまし取った。
浅川被告は当初、起訴内容を認めていたが、一審の最終弁論で「金をだまし取る意思はなかった」と一転して否認。その後は無罪を主張した。
12年2月、AIJ投資顧問が厚生年金基金や企業年金基金から委託された資金約1500億円の大部分が取引の失敗などで消失していることが発覚。昨年12月、東京地裁が破産手続きの開始を決定した。