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チリ落盤から5年、映画化で再び脚光 作業員の心になお傷も

【リオデジャネイロ=共同】チリ北部のサンホセ鉱山で2010年に起きた落盤事故で、地下深くに約70日間閉じ込められた作業員33人が救出されて13日で5年。事故を描いた米映画が8月からチリで公開され、元作業員は再び脚光を浴びているが、地元メディアなどによると、今も心に傷を負い、私生活が安定しない人も多い。

「ローマに行って、法王に会えるなんて誇らしいことだ」。元作業員、オマル・レイガダスさん(61)が喜びをあらわにした。

元作業員らは今月、バチカンを訪れ、ローマ法王フランシスコと面会する予定。映画「The 33」が11月に米国でも公開されるのを前に映画製作会社側が企画した。

元作業員らは8月には首都サンティアゴでの試写会で、出演俳優のアントニオ・バンデラスさんらとレッドカーペットを踏み、喝采を浴びた。

晴れ舞台で笑顔を見せた元作業員らだが、実生活では今も当時の恐怖にさいなまれ、苦しい生活を送る人もいる。

カルロス・ブゲニョさん(32)は「(事故は)今も現実のものだ。忘れることはできない」と打ち明ける。

ダニエル・エレラさん(32)は1年半にわたり精神科で治療を受けたが「休んでいると苦しい」として退院。博物館のガイドなどを務める。それが「心の安らぎ」になっているという。

マリオ・セプルベダさん(45)のように改装業を営み、講演活動もこなす元作業員がいる一方で、レイガダスさんは定職に就けないでいる。多くの元作業員の生活を支えるのは年金だ。

エステバン・ロハスさん(49)は3月にチリ北部を襲った水害で住まいに被害を受けた。ただ、自分も家族も無事。「鉱山でも、水害の時も神はわれわれを忘れなかった」。前向きな思いものぞかせた。

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