2018年7月22日(日)

北海道へ北上、夏を過ごす 天然記念物のウミスズメ

2014/8/14付
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 日本近海に生息する天然記念物の海鳥カンムリウミスズメは、繁殖地の宮崎県沖合から北海道まで北上し夏を過ごしていることが、日本鳥学会会員の飯田知彦さん(47)=広島市東区=らの調査で分かった。大半を海上で過ごすため詳しい生態は不明だった。学会誌に結果を発表する予定。

 日本野鳥の会によると、カンムリウミスズメはネズミやカラスによる捕食や漁網による混獲などで減少、環境省の絶滅危惧種に指定されている。綿貫豊北海道大大学院教授(海洋生物学)は「移動ルートの判明で保全活動が進む」としている。

 昨年4月、日向灘(宮崎県)の無人島で、繁殖のため飛来した8羽に記録装置を装着。1年後に戻ってきた1羽から回収した。

 データによると、繁殖後の4月以降、太平洋沿岸を北上し、約1カ月で北海道に到達。夏は主に苫小牧市の南岸で過ごし、サハリン付近まで移動後、9月以降はほぼ同じルートを南下し、約3カ月で繁殖地付近に戻っていた。多くは海岸から100キロ圏内の岸近くを移動していた。

 飯田さんは「餌の豊富な北海道周辺で過ごし、秋になると子育てのため南下するのだろう」と分析している。

 日本野鳥の会によると、推定生息数は約5千~1万羽。全長25センチほどで泳いで魚を捕る。一生の大半を飛ばずに海上で過ごすとされ、陸地に上がるのは毎年3~4月ごろの繁殖期のみ。宮崎県の枇榔(びろう)島や東京都の伊豆諸島などで繁殖が確認されている。〔共同〕

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