大学「オープンラボ」普及へ 研究室、壁を外し交流を

2014/8/11付
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文部科学省は11日までに、国立大学の施設設計の指針を15年ぶりに改定し、個室になっている研究室の壁を取り払って研究者同士の交流を促す「オープンラボ」方式の普及に乗り出した。交流を通じて研究の場を活性化し、新たな発想を生み出すのが狙い。公立・私立の大学にも導入を呼びかけていく。

政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)がイノベーション創出のための大学の研究環境整備を提言したことなどを受け、文科省の有識者会議が昨年7月から指針の改定を検討してきた。

指針は、国際社会で活躍する人材育成のためには「必然的に出会いを生み、お互いを触発し合う様々な交流空間を設けることが重要」と指摘。「オープンラボ」の発想による施設設計の導入を推奨した。

現在の大学の施設では各研究者に研究室として個室が与えられているのが一般的。必要な実験機器や資料などがそれぞれの部屋にそろっていることもあり、「異なる分野の研究者との交流が限定的になっている」(文科省の担当者)。

オープンラボでは、こうした研究室の壁や仕切りをなくし、1つの大きな部屋の中に複数の研究者の机や実験機器などを配置。「お互いに研究の様子が目に触れるようにし、実験の進捗などについて自然と情報交換が行われるようにする狙いがある」(同)という。

指針では大部屋方式のほか、複数の研究室の中心に交流スペースを設ける方式も挙げられている。

オープンラボは、生物学や物理学、情報工学の融合を目指して米スタンフォード大が2003年に導入し、欧米の大学の間で普及している。日本でも、京都大が10年に「京都大学iPS細胞研究所」(京都市)をオープンラボ方式で新設。他に東京工業大や東北大、長崎大などで導入されている。

設計指針は、国立大が施設の建て替えや改修を行う際の参考となるように文科省がつくっている。1999年策定の旧指針は耐震や防犯についての記述が中心だった。

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