上田正昭氏が死去 88歳、古代史研究の第一人者
古代史研究の第一人者で京都大名誉教授の上田正昭(うえだ・まさあき)氏が13日午前7時54分、京都府内の自宅で死去した。88歳だった。告別式は近親者のみで行う。
兵庫県出身。中学時代に京都府亀岡市の小幡神社の社家、上田家に養子入り。国学院大専門部で国文学者の折口信夫らに学んだ後、1947年京大文学部史学科入学。卒業後は高校教諭を経て63年京大助教授、71年に京大教養部教授に就いた。
定年退官した後、91年から6年間、大阪女子大(現・大阪府立大)学長を務めたほか、アジア史学会会長などを歴任。京大在学中から小幡神社宮司でもある。
朝鮮半島や中国との関係を重視して日本古代史を分析。著書「帰化人」では渡来人が大きな役割を果たしたと訴えるとともに「戸籍がない段階に帰化人は存在しない」と指摘、ほとんどの教科書が「渡来人」と記述するようになった。他に「日本古代国家論究」「日本神話」など著書多数。
人権問題にも深くかかわってきた。歌人でもあり、2001年の宮中歌会始で召人を務めた。
03年勲二等瑞宝章。