日本の高校生、目立つ「受け身」姿勢 米中韓と比べ
日本の高校生は米中韓と比べて勉強の姿勢が受け身的であることが13日、国立青少年教育振興機構(東京)の調査でわかった。「勉強したものを実際に応用してみる」と答えた日本の生徒の割合は10.2%で4カ国の中で最も低い。同機構は「板書をノートに書き写すなど、現在の学校の授業スタイルが反映されている」と分析する。
調査は2016年9~11月に4カ国の高校1~3年生計7854人を対象に実施した。
勉強の仕方を問う質問で「勉強したものを実際に応用してみる」と答えた生徒の割合は米国が65.5%で最も高く、中国が34.2%で続いた。韓国は14.5%で日本は最下位だった。
また「教わったことをほかの方法でもやってみる」と答えた生徒の割合は日本が7.5%で、米国(45.8%)、中国(25.9%)、韓国(10.4%)に比べて低い。一方「試験の前にまとめて勉強する」と答えた生徒は日本が69.3%で最も高い。
学校生活が楽しいと答えた生徒は78.8%で4カ国で最も高いが「学習よりも学校で人間関係を培うことに重きを置いている」(同機構)という。
学校の授業や宿題以外に「2時間以上」勉強すると回答した高校生の割合は比較可能な09年の調査より3.1ポイント高い10.8%だった。平日に学校の宿題をしない生徒は12ポイント下がって11.2%になった。同機構は「学習時間は増えているが、学習の仕方は変わっていない」と課題を指摘する。
授業中に「居眠りをする」生徒は63.1%と09年から17.9ポイント増えている。授業中に「ボーッとしている」生徒も60.6%で15.8ポイント増えた。
ICT(情報通信技術)活用の遅れも受け身の姿勢に影響している可能性がある。日本の生徒はインターネットで情報や資料を調べたり、学習ソフトなどを使って学ぶ生徒の割合が4カ国の中で最も低い。調査結果を分析した千葉敬愛短大の明石要一学長は「生徒の主体性を引き出すためにICT機器の力も借りる必要がある」と指摘する。