人類、ネアンデルタール人からうつ病受け継ぐ? 米チーム分析
【ワシントン=共同】現生人類は数万年前に祖先が混血したネアンデルタール人から、うつ病など計12の病気に関連する遺伝情報を受け継いでいると、米バンダービルト大などのチームが12日付の米科学誌サイエンスに発表した。
関連が深かったのは、うつ病や気分障害のほか、日光を浴び続けることで皮膚に赤い斑点やかさぶたができる「日光角化症」や血液が凝固しやすい病気、たばこへの依存などだった。遺伝情報を担うDNAの塩基配列にネアンデルタール人との混血に由来する変異がある人はこれらの病気の危険性が増すという。
初期人類はアフリカで生まれ、ユーラシア大陸に広まる過程で、別系統のネアンデルタール人と混血したとされる。
チームは発掘された骨などから推定したネアンデルタール人の塩基配列との比較で、欧州系の約2万8千人の配列の中に混血の結果として生じたと考えられる変異を特定した。さらにこれらの人々の病歴を分析し、変異と病気との関連を明らかにした。