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臍帯血民間バンク、廃棄せず2100人分保管 厚労省調査

臍帯血(さいたいけつ)の無届け投与事件を踏まえ、厚生労働省が個人の臍帯血を有料で保管する民間バンクの実態を調査したところ、契約終了後に廃棄処分せず保管し続けている臍帯血が5社で計約2100人分あることが12日、分かった。同省は「契約が不適切」と指摘。第三者に流出する恐れもあるため、任意の届け出制度を創設し、監視していく方針だ。

厚労省の調査は今年6月に始め、全国の産科医療機関から民間バンク10社の情報提供があった。このうち事業活動が確認できたのは7社。6社が調査に協力し、5社が臍帯血を保管、1社は契約者などへの引き渡しのみを行っていた。

5社が計約4万3700人分の臍帯血を保管していたことが判明。これとは別に、契約終了後に廃棄処分せず保管し続けている臍帯血が計約2100人分あることが確認された。

同省によると、契約終了後や廃業時の臍帯血の所有権や処分方法などについて取り決めが不明確な事業者があった。無届け投与事件では、茨城県つくば市の経営破綻した民間バンクから臍帯血が流出し、販売業者や仲介業者を経て、東京都内など12クリニックで無届けで患者に投与された。同省は廃棄処分せずに臍帯血を保管し続けていることは「契約者の意思に基づかない提供がされる可能性がある」と問題視している。

また6社のうち1社は臍帯血を第三者に提供したことがあると回答。がんの治療などを目的に約160人分を提供していた。同省は今回の事件に関与した事業者かどうかは明らかにしていない。

臍帯血の保管を巡っては、白血病の治療などを目的に第三者に提供する公的バンクは国への届け出が必要だが、民間バンクは規制の対象外となっている。

そこで、同省は任意の届け出制度の創設を決め、同日、民間バンクを運営する事業者に通知した。届け出内容は(1)事業者の名称、住所(2)臍帯血の利用目的(3)契約終了後・廃業時の処分方法(4)品質管理体制――などとし、これらを同省のホームページで公表する計画だ。

また新たな有識者会議を設置し、届け出が適切に行われているかを継続的に検証する。ただ現在は法律に基づく立ち入り調査の権限がなく、実効性を確保できるかは不透明だ。同省の幹部は「届け出後の運用状況を見ながら、有識者会議でさらなる対策を検討していきたい」と話している。

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