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学ぶ意味問い掛ける 通信制中学の映画完成

戦後の混乱で中学校に通えなかった60~70代の男女が、通信制中学で学ぶ姿を追ったドキュメンタリー映画がこのほど完成した。登場する5人は東京都千代田区立神田一橋中学校での数十年ぶりの学校生活に戸惑いながらも、級友と励まし合い、学ぶ喜びを知る。

映画のタイトルは「まなぶ」。監督のフリーディレクター、太田直子さん(51)は「人生の終盤を迎えた生徒たちが生き生きと勉強し、学校で青春を取り戻していく姿を見て、学ぶことの意味を考えてほしい」と話している。16、18の両日、東京都千代田区の日比谷図書文化館で上映会が開かれる。

通信制中学は戦後、中学校に通えなかった人のために各地で開設されたが、現在残っているのは神田一橋中と大阪市立天王寺中の2校。1948年に通信課程をスタートさせた神田一橋中では、自宅学習をベースにして月2回の登校日を設けている。

太田さんは2009~14年に同校に通い、5人が入学してから卒業するまで密着。5人は父親が原爆で亡くなったり、海外の戦地で死亡したりといった事情から、家計を支えるために働かざるを得なかった。

12歳で奉公に出され、肉体労働の仕事を転々としてきた男性は、中学に行けなかった悔しさから人との関わりを避けてきたが、学ぶことで自信を取り戻していく。「勉強すると、目の前が開け、気持ちが豊かになる」という言葉が印象的だ。〔共同〕

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