「追い出し部屋異動は不当」 アストラゼネカ社員が労働審判
製薬大手アストラゼネカ(大阪市)に勤務する男性社員3人が11日、会社側から一方的に降格・減給させられ、仕事がほとんどない「追い出し部屋」に配置転換させられたのは不当だとして、人事異動の取り消しなどを求めて東京地裁に労働審判を申し立てた。
申立書によると、3人は20年以上の経験を持つ医薬情報担当者(MR)だったが、今年1月、会社から降格・減給を言い渡された。さらに営業用パンフレットの管理など資材管理担当への異動を命じられたという。
代理人弁護士によると、降格・減給の基準が就業規則などに明記されておらず、3人への扱いは労働契約上の根拠がないとしている。資材管理担当への配置転換は、退職強要が目的だと主張している。
申立人の山梨理さん(54)は11日記者会見し、「定まった席はなく仕事も1時間弱で終わる。気持ちを折るための、いわゆる『追い出し部屋』に追いやられている」と訴えた。アストラゼネカは「社員に対し、法律や就業規則に基づき適切な対応をしてきた」としている。