「人生変えてくれた人」 真央さん引退に宇野選手
引退を表明したフィギュアスケート女子の浅田真央選手(26)。背中を追い続けた後輩や、ともに世界と戦ってきた同志たちは11日、銀盤を去るヒロインに心からの賛辞を送った。
今年の世界選手権で準優勝した宇野昌磨選手(19)は浅田選手が所属する中京大学の豊田キャンパス(愛知県豊田市)で「人生を大きく変えてくれた人」と振り返った。
5歳ぐらいのときにスケートリンクで浅田選手に声を掛けられたことがフィギュアを始めるきっかけになった。トリプルアクセルを跳べずに悩んでいたとき、コツを教えてもらったこともある。「本当に尊敬する理想のアスリート。自分もいつかそう思ってもらえる選手になりたい」
宇野選手とともに取材に応じた村上佳菜子選手(22)は「本当に苦しいこともあったと思う。ゆっくり休んでほしい」とねぎらった。浅田選手とは幼少時からの付き合いで、「ずっと背中を見て追いかけるようにして頑張ってきた」。一番の思い出は一緒に2014年ソチ五輪に出場できたことだ。「これからも最高の友達であり、憧れの人」と話す。
06年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さん(35)は横浜市内で「華がありフィギュア界で一番影響力のある選手。寂しい」と惜しんだ。
自身が悩みを抱えていた05~06年シーズンに、浅田選手は世界のトップ選手の仲間入り。無邪気にスケートを楽しむ姿に感化されたという。「楽しんで物事に向き合うことは、すごく大事だと思い起こさせてくれた」
10年バンクーバー五輪の男子銅メダリスト、高橋大輔さん(31)は「彼女がいろいろと考えた末の結果。長い間、本当にお疲れさまでした」とコメントした。プロスケーターとして活躍する高橋さんは「また一緒にスケートできることを楽しみにしています」とエールを送った。