2019年6月18日(火)

認知症の一因をiPSで解明 京大など、新薬開発へ足がかり

2016/10/11 22:08
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京都大iPS細胞研究所の井上治久教授らは認知症などの原因となる「前頭側頭葉変性症」が発症する仕組みを解明した。患者から作ったiPS細胞を育てた神経細胞では、情報伝達を担う物質が流入しやすく、病気を起こす異常なたんぱく質がたまる原因になっていた。

新薬開発の足がかりとなる成果で、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

前頭側頭葉変性症は遺伝子の変異によって起こる。大脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が変化し、行動や言語に障害などが生じる。アルツハイマー病とは別タイプの認知症などの原因になる。

研究チームは前頭側頭葉変性症の患者の皮膚や血液からiPS細胞を作った。遺伝子を容易に改変できる「ゲノム編集」という技術を使い、遺伝子の変異部分を修復したiPS細胞も作った。双方のiPS細胞を大脳皮質の神経細胞へと育て、詳しく比較した。

遺伝子を修復していない神経細胞だけには、神経の変性を引き起こすとされる異常な「タウたんぱく質」が蓄積。細胞内には情報伝達を担うカルシウムイオンが流入しやすくなっていた。

流入量を減らすと、異常なタウたんぱく質の蓄積が抑えられ、神経細胞の生存率も上昇した。研究チームは、カルシウムイオンの流入を妨げる物質が治療薬の候補になるとみている。

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