スギ花粉症の8割が改善 舌下免疫療法
厚労省調査
スギ花粉のエキスを口に含んで花粉症を治す「舌下免疫療法」を受けた患者へのアンケートで、ほぼ8割が例年と比べて症状が改善したと答えたとの調査結果を、厚生労働省研究班が12日までにまとめた。
同療法の治療薬は昨年10月に発売され、12歳以上で健康保険適用となった。研究班の岡本美孝・千葉大教授(耳鼻咽喉科)は「最低でも2年間は毎日服薬が必要。通院などの負担はあるが、2年目となる来年の方が効果の自覚は強くなるだろう」としている。
千葉大や日本医大、埼玉医大など6施設で、昨年10月から今年1月に治療を始めた13~78歳の患者102人を対象に、今年の花粉飛散時期の症状などを尋ねた。
例年の症状との比較では「症状がなかった」(9%)と「軽かった」(69%)と回答した人が8割近くを占めた。「中程度だった」は20%、「重かった」は2%だった。
効果の自覚についても「とても効いた」が26%で、「効いた」(33%)や「やや効いた」(19%)と合わせ、6~8割が高い評価を付けた。「効かなかった」は4%だった。
1日1回、薬を2分ほど口に含んで飲み込む必要があるが、「口のかゆみ」「のどの違和感」「くしゃみ」などの副作用があったと答えたのは23%だった。7%は「副作用のため治療の継続を悩んだ」とした。
通常2~3カ月で効果が出始めるという。岡本教授は「スギ花粉症かどうか検査を受けた上で9~12月に始めると続けやすく負担が少ないだろう」と話している。
〔共同〕