東京大空襲72年 遺族ら追悼「今も悔しさ」

2017/3/10 13:37
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太平洋戦争末期に約10万人が亡くなったとされる東京大空襲から72年となった10日、遺骨が安置されている東京都慰霊堂(東京・墨田)で追悼法要が営まれた。遺族ら約600人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。

小池百合子知事は「戦争と震災の記憶を決して風化させることのないよう、後の世代にしっかりと受け継いでいく」と追悼のあいさつを述べた。秋篠宮ご夫妻も参列し、焼香された。

参列者の一人、窪田キミ子さん(79)は江東区で警防団をしていた父を空襲で失った。消防活動のために自宅を出た直後だったといい、「何年たってもあの日を思い出す」と振り返る。「戦後も女手一つで私たち子供3人を育ててくれた母は随分苦労した。二度と戦争を繰り返してはいけない」と語った。

「自宅に戻っていなければ……」と悔やむのは千葉勝也さん(78)。墨田区で父と兄が亡くなった。家族は疎開先の千葉県で暮らしていたが、空襲前日に父は仕事で自宅に戻り、都内の学校に通っていた兄とともに犠牲になった。「残された家族で戦後を生き抜いたが、今も悔しさが消えることはない。こんな思いは我々の世代だけで十分」と唇をかんだ。

都によると、昨年1年間で新たに222人の犠牲者が判明。慰霊堂近くの祈念碑の内部に保管している犠牲者名簿の人数は計8万905人になった。

東京大空襲は1945年3月10日未明、米軍のB29爆撃機約300機が焼夷(しょうい)弾で大規模な空爆を行い、現在の江東、墨田、台東区など下町を中心に大きな被害が出た。

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